Armadillidium klugii
今ではポピュラーとなった海外産ダンゴムシのモンテネグロダンゴムシですが、その流通名は非常に紛らわしく、最近では『モンテネグロダンゴムシ ギリシャ産』という変わった名称を見かけるようになりました。
そこで本日はモンテネグロダンゴムシについて説明したいと思います。
まず厳密にはモンテネグロダンゴムシという種類はおらず、Armadillidium klugii というダンゴムシのモンテネグロで採集されたものが10年程前に日本に持ち込まれたようです。そして当時謎だらけだった本種を流通する過程でラベルを元にモンテネグロダンゴムシと呼んだ事がキッカケになったようです。
※諸説あり。
しかし、困った事にArmadillidium klugiiは産地ごと色合いに特徴があり、地域変異が親しまれるダンゴムシでした。そのため、後にギリシャ産やドブニロク産のものが日本にも流通するようになった際にその名称は紛らわしいものになってしまいました。
以上のことから我が家では、Armadillidium klugii Dubrovnik といった表記で管理しています。
そして芥子粒より小さな幼体を多産するArmadillidiumの管理には気を遣います。もしメンテナンス中に幼体が混ざってしまえば雑種が生じて産地固有の色合いを失われてしまうからです。
また、地域固有の特徴をより発揮させるために定期的に厳選して選別飼育を行っています。
多産ゆえ、色々と選別しながら飼育していくことも楽しみとなっています。
縁どりの淡い色合いが特徴のArmadillidium klugii Dubrovnik。選別せずに累代飼育を重ねるとモンテネグロ産に似た色合いの個体もよく出現します。