だんご虫の飼育日記

ダンゴムシ飼育の探究や採集などの日々の記録です。

【2024.01更新】だんご虫のSoil飼育のHOWTO

はじめに

  ご報告が遅くなりましたが、旧Twitterの頃から活動してきたアカウントが2500フォロワーを超え、Instagramのアカウントも気付けば300人以上の方々が見て下さっています。

   

  当初、私ぐらいしかしていなかったダンゴムシのSoil飼育も今では多くの方がチャレンジしてくださってます。

 

  そこで、この度は皆様に一つ、私のknow-howを公開することにしました。いまから伝える飼育法は、私がSoil飼育を始めたばかりの頃の飼い方になります。

 

  とはいえ、いまの飼育法と比べて劣っているわけではなく、そこに色々と自分なりの拘りやコストや管理のしやすさの工夫を加えた結果が今になります。

  是非皆様も、これを参考にご自身のオリジナルの飼い方を見つけてられましたら嬉しいです。

 

1.Soil飼育とは

  腐葉土を使わず、熱帯魚や爬虫類用の底材や園芸用土の赤玉土などを用いた飼育法になります。

  その特徴として、給水などの世話の頻度が増えたり餌は餌として与えるので腐葉土よりも増やす点では効率は悪くなります。しかし、雑虫が湧きにくかったり、容器の工夫次第で色々と楽しめる新しい飼い方です。床材の掃除が数分で終わるのも利点です。

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2.具体的な方法

  ソイル飼育は主に容器、保水材、床材の3つのバランスをダンゴムシに合わせる事で衛生的に飼う、脱腐葉土飼育の方法になります。

※何故、脱腐葉土に拘るのか▶︎ 過去記事

1)容器について

  ダンゴムシは蒸れに弱い種類が多いです。そのため、適度な保湿性と通気性のある容器がベストで、今では種類毎に通気穴に工夫をしてますが、飼育を始めた頃はデザインが好きで昆虫飼育容器のクリアースライダーを使用してました。

  ここからはクリアースライダーでの飼育を基準になりますが、やや蒸れやすい容器で水加減にコツがあります。

  管理重視の場合、虫籠や食品保存容器の蓋に適度に穴を開けて不織布挟んだ容器が手頃な飼い方になります。

 

2)保湿材と吸水材

  ダンゴムシの多くは蒸れに弱く、 ビチャビチャな環境が苦手です。結果、水捌けの良い床材を用いるのですが、それでは通水性があるので底がビチャビチャ、保水力もありません。

  そこで必要となるのが余計な水分や湿気を吸う吸水材になります。

  また、ダンゴムシの飼育は湿度勾配を作る事でダンゴムシが好みの湿度を行き来できるようなセッティングを心がけます。そこで必要となるのが保湿材です。

  今回は、吸水材に入手しやすいセリアのPVAクロス、保湿材にPVAスポンジとベラボンLを用います。

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  ちなみに、ベラボンは見た目はヤシガラですが園芸用にスポンジ加工されていて爬虫類用とは似てる非なるものです。

 

3)床材

  飼育者のknow-howが生かされるところですが、案外なんでも良かったりします。私は、掃除のしやすさや通気性、保水性などにこだわったオリジナルの配合用土を作っていますが、ソイル飼育を始めた頃はテラリウムソイルとサンゴ砂を3:1で混ぜたシンプルなものでした。

 

4)餌 

  ダンゴムシは生態系の分解者であり、乾燥した有機物であれば選り好みなく食べる生き物で、とても飼いやすい生き物です。ラビットフードや、レプトミン、テトラミンなどが与えてやすくカビにくいです。

  ちなみに、餌はかならず餌皿で与えます。食べ残しが堆積するとコバエの温床になります。

 

餌皿は蟻用の小さなものが便利です。

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▶︎https://shop.ant-street.net/items/53090878

 

2.セッティング

これはあくまでも一例で、今回はやや湿度を好むタイ産ダンゴムシのジュピターを例にセッティングについて解説します。

 

①底面に吸水材のPVAクロスを敷き、半分霧吹きします。そして隅に、水を含ませて絞って濡らしたPVAスポンジを置きました。次に床材との区画に湿らせたベラボンLを使いました。


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②床材を厚さ2.5㎝程敷き、1/4ほどに霧吹きして湿度勾配を作ります。そして隅に適度にベラボンを盛り霧吹きします。


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③シェルターの樹皮、餌皿などを置いてまわりにボレー粉を撒きます。餌皿に餌を置いて完成です。

石灰岩地や洞窟種などは石灰岩や化石サンゴをレイアウトに加えると調子が良いです。

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セッティングの様子▶︎

https://www.instagram.com/reel/Cv6R5bLNvnV/?igshid=NTYzOWQzNmJjMA==

※こちらは販売中の飼育Kitになりますが、手順は同じです。こちらは、ベラボンを隅に押し固めて保湿材としています。

 

3.メンテナンス

日常の世話として給水と給餌、掃除があります。

Soil飼育は、腐葉土飼育よりも世話の手間はありますが、餌皿に集まるダンゴムシ達が観察しやすかったりと、魅力も沢山あります。

 

給水と給餌

 3〜4日に一度、ヤシガラに霧吹きします。霧吹きはヤシガラを押し固めた隅(今回は)を重点的にします。床材には霧吹きはしません。餌はカビていたら交換します。

掃除

  だいたい3カ月から半年ほどすると、ダンゴムシの糞で床材が目詰まりして水捌けが悪くなります。トビムシが目障りなほど増えた頃も掃除の目安になります。

  この飼育法は掃除がとても簡単なので、是非まめに掃除してあげて下さい。雑虫予防にもなります。

 

  手順としては、シェルターやヤシガラ、ダンゴムシを別の容器に移します。次にバケツに細目のふるいをセットして床材をひっくり返します。あとは数回振って汚れを落としたら、レイアウトを復旧します。最後にバケツに落ちたダンゴムシの赤ちゃんをプラスチックのスプーンなどで拾い集めれば終わりになります。

 

▶︎掃除の様子

https://x.com/conta_bicho/status/1683355704864944128?s=46&t=BCmmsUyIEU1MPMAcRPMHiQ

 

 

最後に

ここで使用した用品は全てcharmで購入可能です。

▶︎https://www.shopping-charm.jp/


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リストのベラボンのサイズが誤りあります。

誤)ベラボンMサイズ 正)ベラボンLサイズ

▶︎ベラボンはAmazonでも販売してます。

 

※PVA製のスポンジとクロスは、お近くのseriaを探してみて下さい。代用品を使う場合は、有害な成分がないことをよく確認して下さい。

※ちなみに、charmで販売している化石サンゴはおススメです。Sを混ぜ込みますが、MやLは石灰岩地や洞窟生息種の飼育のレイアウトに最適です。

 

以上、長々となりますが当方での飼い方の一例になります。参考になりましたら嬉しいです。

 

当方オリジナルの飼育Kitの販売もしてますので、気になる方はXのアカウントまでDM下さい(^^)


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◀︎問い合わせ▶︎

https://x.com/conta_bicho?s=21&t=BCmmsUyIEU1MPMAcRPMHiQ

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